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てとやらま

2009年5月9日 八万湯、再起動

2009年5月9日 八万湯、再起動_e0143051_16275080.jpg八万湯という、聞き慣れない名前を聞いたのは、1月くらいだっただろうか。元・旧130銀行ギャラリーの高橋さんが、新しいスペースができると言っていた。この日はそのオープニングかつ説明会というか。紹介の日。

八万湯というのは、元銭湯だった建物。
北九州市八幡駅から徒歩15分といったところだろうか。もともとスペースを探していた現在ギャラリーSOAPのオーナーであり、SECOND PLANETなど映像を使った作品でも有名な宮川敬一さんと福岡を拠点に活動していた森秀信さんが、通りかかって気にいり、大家さんに話をしたのが始まり。以来ここを拠点にして様々なアートイベントが開催された。その後は宮川さん、同じくSECOND PLANETの外田さん、鈴木淳さんらのアトリエとなったりしていたんだそうだ。
今回、旧130銀行ギャラリーが指定管理者の入れ替えのため、AIK(アート・インスティテュート・北九州。一昨年の北九州国際ビエンナーレ’07の主催。今年は「移民」というテーマで開催されます。)の事務所の場所を変える必要もあって、引っ越しと同時に八万湯の片付けと、新しいプロジェクトのための準備が進められていた。

もともと、八幡という都市は八幡製鉄所で有名なとおり、鉄鋼のために栄えた町である。当時このあたりに住んでいた新日本製鐵の重役たちが、建築家・村野藤吾に依頼して作った建築が、今もいくつか残っていて、この八万湯も、その時に村野によって設計されたのではないかといわれている。確かになんだか不思議な形をした建物で、中から見れるようになっている中庭(?)のタイルのデザインがとても面白い。とはいえ以前は工場労働者やその家族たち、地域の交流の場として機能していたそうだ。
現在は湯船は打ち壊され、展示もできる部屋になっているが、ホワイトキューブではなく、壁のタイルはそのままだし、床はアスファルト(というか湯船を壊して平にしたそのままの感じ)だし、昔ながらの脱衣所のロッカー(というか蓋つきの棚と言ったほうがしっくりくる気がする)もそのまま使ってあって、とても面白い空間になっている。

ここを運営するのは「北九州在住の現代美術作家、キュレーター、大学教員、団体職員の7名」らしく、今後ここを拠点に展覧会や、各種フォーラム、カンファレンス、ワークショップなどの参加型のイベントを企画していくそうだ。
そして来月6月頭からは早速、「八万湯藝術大學」という、なんとも堅い名前の企画が始まる。
といっても、この日の段階で具体的な内容はあまり決まっていないようで、これから参加者と一緒に作っていきたいということだった。
共同体研究Ⅰ、Ⅱ、Ⅲといういかつい(いかにも大学っぽい)名前のフォーラムがある一方で、
「銭湯演習Ⅰ」という、北九州の銭湯を回って入って、語らうというフィールドワーク
(しかし説明には「共同体研究をもとに、北九州市内各地の銭湯を機転としながら、受講者各自の問題意識に照らし合わせ、ワークショップ形式のフィールドワークを行う。原則的に月1回、第二日曜日に実施。
そこには、必ず「問い」がある。私たちは何を見いだし、何を表すことができるか。」としかつめらしく書いてある。)があったりする。そのうち角打演習とかもあるのではないだろうか(北九州は立ち飲み屋が多いことでも有名で、実際にここを研究・開発しながら広める活動をしている団体もあるらしい。)
Webラジオで発信するメディア演習Ⅰがあったり、八万湯藝術大學出版という、記録冊子を作成・出版する演習があったり、実践的な面白いプロジェクトになりそうな予感。
しかしさすがに北九州は遠いので毎週行くのは難しいので
遠くからイベントだけ参加する形になりそうだなぁ、と個人的に思いながら、でも今後の進行が気になるプロジェクトです。

ああ、なんだか若者も負けてられないなー
もうあまり若くないけど。
と思う今日このごろ。


今月末には現在gallerySOAPでも個展を行っている鈴木淳さんが2日間だけの展覧会をするそうです。

それにしても、この日ずっとなぜかBGMがNeu!だったのがなんだか印象的でした。私も好きだけど、この人たちはど真ん中の世代なんだろうなあと、なんでかそんなことを思った。

最近福岡市では大橋に、旧大賀アパートという、昔学生寮だったところ(4畳半や6畳の部屋がいくつかと、トイレが2こ、風呂・台所が共同という、昔ながらのアパート)を借りて、20代前〜後半の作家5・6人が集まってはじめたスタジオがある。内、一人は某商業ギャラリーのディレクターでもあって、彼はこの場所を展示とレジデンスのために使うそうだ。現在オープニングの展覧会を開催中で、展覧会にはまだ行っていない。プレイベントがあっていたときに一度行ってみたけれど、展示場所というよりは作家のアトリエ的な要素が強いようだった。メンバーの二人はここを住居としても使っている。

なんだか最近、若い人は何をしているんだろうなーと思うことが多くて(自分も含めてなのですが)展示を見にいくひとも、イベントを見にくる人も少ないなーと 思ったりしている。かといって、外を見ている人もいない。
自分に見えてないだけかな。かもしれない。ここんところは移動が多かったし、それ以外はテトラにいるかバイトしているかなので。というのも、分かってはいるんです。

でも、若い人が何やら動き出した。
by tetoyarama | 2009-05-09 00:00 | oyama
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