とりあえず火曜日はお休みの美術館が多いのでパリをひたすら歩きまわってみる。
ちょうどfiac!という巨大なアートフェアが終わったばかりで メイン会場はすでに入れず しかしお庭にいくつか作品が設置されていて、それはまだ見ることができる。 川俣正の作品があった。 こちらで見た日本の作家の作品というと、川俣正か草間弥生だけだったな。 26までルクセンブルグ近くの片田舎であっていたフェスティバルにいた。 この旅行のサブ目的地の一つ。ほんとは11月のイベントにしようと思っていたのだけど 今渡邉寿岳くんが制作をしている映像作品のためにも、ビデオカメラを届ける必要ができたのでやはり行くことにして 出発の前日にTGVをとったのでした。 撮影をしていたので スタッフのような立場でまぎれこませていただきました。 実際 たくさんの映像をとったし、ステージ作りというか、椅子並べなども手伝ってきた。おばちゃんやブロンドの美人としゃべったり、 展示をしている作家と しゃべったり。色々な出会いがあったし、 たくさん笑顔をもらった。 フェスティバルはほんとに素晴らしかった。 地元の祭みたいなゆるく暖かい雰囲気で 手作り感満載。 手伝ってるスタッフも近所の人だったりやっぱりミュージシャンだったり、スタッフかと思えばレジデンスしてるアーティストだったり。 ![]() どの演奏もはりつめるような緊張感と安心感があって お客さんもじっくり演奏を聞いては終わると外のバーでお酒やお喋りを楽しんでいる。 演奏が始まるまえになるとザヴィエさんが「始まるよー」と外の人にも声をかけるのが嬉しい。 1日目のトニー・ディ・ナポリの演奏がすばらしすぎて 堪能した。めいっぱい。 平たい、何の石かは分からないけど とにかく石だ。平たく削られた、板のような石。 磨かれた石を撫でるようにこすって音を出すのだけど その音の広がりといったらもう。 これは皆にも聞かせたい 日本に呼びたいと またたくまに一つの目標になってしまった。 でもすごく難しくだろうな。何年も先だきっと。 ![]() もともと美術学校で彫刻を学んだそうで この楽器も自分で作ったものだそうだ。 たぶんものすごく重いし割れる危険があるのもあるのか 移動手段は車。 ユーラシア大陸は繋がってるからなぁ。 イスラエルだったか、そのへんまでは演奏に出掛けたことがあるらしいけど海を渡った事はないらしい。 とにかく本当に 思い出すだけで胸がいっぱいになる。 フェスティバルはDENSITEといって 人口密度という意味。 片付けの日。みんなでお昼を食べながらDENSITEという名前にした理由の話になったけどそれはまた今度。 今年のMr.DENSITE・Miss DENSITE は誰だろうとか あの演奏が素晴らしかったとか、楽しいお喋りは続く。 (隣の子がいろいろ今こんな話をしてるのと、時々訳してくれた) このイベントもやはり国や地域の行政から助成を得ているようで どこも同じだなぁと。中心になってやっているエマニュエラやザヴィエが長年地域の人や子供たちや障害のある人たちと公共性のある活動をやってきた その蓄積の成果でもあると、隣に座ってた女のコが言ってた(名前聞いてない…メッスにも行くと言ってたから会えるといいな。) じっくりと音楽をきいて 食べて笑って 喋って、 最後は地元のバンド(むちゃくちゃかっこいい!CDR買い損ねた…)が出てもりあげて ル・ヴァレと言われる大人から子供まで誰でも参加の昔からある自由なダンスパーティーで盛り上がって終わり。 地元の綺麗なお姉さんがキラキラ衣装でバトンを持ってステージに上がって(翌日一緒に片付けしてお昼食べてた)歌って踊って、それと一緒にみんなで盛り上がって。みんな思い思いに。 昨日ビールを飲んだおばちゃんも 見かけからは想像できないほど激しく楽しそうに踊ってた。 もう、なんつーか 大学生か?みたいな元気さ。みんな。 ちょっとゆっくりめな時に、シルヴィアが手をとって踊ってくれた。変な話ここにきて初めて あぁフランスだ 外国だ と思った瞬間。 その皆の年齢を問わずのはっちゃけぶりを見て あぁこのテンションは日本にはなかなかないな…と思ったのだった。 健康の秘訣かも。 ほんとに素晴らしいフェスティバルだった。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 27日夜パリについて そのままパリで活動している陶芸家のフタムラさんのお宅に、保科さんと一緒にお邪魔する。 (保科さんに「来たときと顔が違う」と言われた。フェスティバルですごく笑ったし馴染んだみたい。初日は飛行機の疲れもあったしはじめての海外一人旅行だったから緊張してたんだろうな。「初日は顔が強ばってたもん」) そこでルーブルでコンファレンスをしている前田さんという人に会って色んな話をきく。 やっぱりたくさん知ってるし何より話しかたに引きこまれてしまった。 帰って保科さんと教育とか美術とか恋愛について5時まで!喋る。 で火曜日は散策 水曜日はそのコンファレンスに参加して そのあとルーブルにずっと。22時まであいてる日だったし10時間もいたのに全然見れてない。あぁ… 木曜日はひたすらオルセーとオーランジェリー オルセーに5時間もいても全部はみきれてない。絵画はじっくり全部みたけど彫刻は時間もあってほぼ素通り。 圧倒されたり 考えたり。 時間がたりない。もちろんさくっと通り過ぎる作品もたくさんあるけど 気になるとこで立ち止まったりメモったりしてるからこんなに時間がかかるんだろうな。 ルーブルのニケ像の前で30分くらいみてた。でもこれが一番長いくらいです。 とすると そうでもないのか? 夜ポンピドゥーにたどり着いたところで 今回保科さんを紹介してくれた徳山さんがパリに来ているというので 小企画のChristian Bonnefoiだけ見て(これもよかった。) ほしなさんちに行ってパスタを作って食べる。 みんな料金上手。みならいたい。 徳山さんはフランスの大学院でキュレーションの、とくに今はハラルドゼーマンの研究をしていて 去年アーカスであった「キュレーションのハードコア」というトークのときにお会いしていて、 今回図々しくも連絡させていただいていたのでした。 (いきなり「泊めてくれませんか」だもん。ほんと図々しいな…。) で保科さんを紹介してくださったのでした。本人はパリ在住じゃなかったので。 来年フランスで予定しているリモージュでの展覧会のことや もともと大阪国立国際の学芸員だったこともあり 美術館の仕事とキュレーションについて話す。 というのも 今回美術館をぐるぐるするなかで 個人的に美術館の機能とかそもそもやっぱり美術って何なんだということを考えていて、 美術館にいってすごく実感したのが ここは技術の集積なんだってこと。 卒論のときにさらっとなぞって 頭にはちょっとだけあったもともとの始まりというか これは先日遠藤さんからも少し聞いたのだけどテクネーだとか模倣について のことを 肌で実感したのでした。 それは美術をやってる人なら当然知ってることなのかもしれないし ていうか知ってるんだろうけどわたしはガッツリ美術史も実技もやったわけではないので そのへんが、なんとなく知ってる、くらいにしか分かってなかったのです。 というか美大の美術教育って一体どこまで深くやるのかな。 友人から、私は最近の人の作品比較的知ってるけどファインアートはあまり知らないとも言われたし。その通りだ。 日本と西洋 一神教と多神教とか それによる文化や自然観の違いだとか 円運動と往復運動だとか 今までの興味のいろいろが 繋がってきてて、面白い。 ギリシャ神話と日本神話の共通点の事も思いだしたりして またいろいろなぜなにが増えた。 あと今まで名前と作品が一致してなかったり時代を間違ってうろ覚えに記憶していたところのパズルがなんとなく埋まったりはまったりしてきている。 美術館はもちろん重要で 美術は技術でもあって職人技だった。 でもルーブルを見たときにそんな何世紀も前の絵画をみても この時代にこれかよ!とか 単にものすごい技術があるとかに感動するのだけど けどそれは 自分の中でアートとか芸術として見ているわけではなくて 歴史とか宗教とかそこに端を発する技術として見ているわけで。みんなルーブル美術館いって何に感動するかというと大部分は あの作品の本物が!とか そういうところに感動するんじゃないかと思い、(もちろん単純におわーっと圧倒的なものもそりゃああるけどそこはおいといて) その時点で作品を作品だけで見ることができなくなっていて そもそもその時代の最先端技術やとびぬけたものを思想も込みで保管して後世に残し歴史化するというところに美術館(や博物館)の機能や意義があるのかもしれず ていうかそれは当たり前すぎるほど当たり前の事でたぶん しかしやっぱりルーブルやオルセーより ポンピドゥーやパレドトーキョーが面白くて それはなぜかというと 自分に近い時代だったり現在の問題で まだ歴史化されてないから 先入観なく前知識なく見れて単純にサプライズや共感があるのかもしれないなぁ… と ぐるぐる考えてるうちにやっぱり着地点を失うわけで とりあえずメモがわりにブログを更新したりするのです。 たぶん帰ったらもうちょっと整理します
by tetoyarama
| 2008-11-02 21:17
| oyama
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