![]() もっともクロージングパーティは突然決まったため、私はバイトでいけなかったけど、せめてもとバイト後の22時過ぎにテトラへ。みんなほろ酔い加減でわいわいと。 菱川さんはriverという名義で音楽活動もしていて、この日も演奏をしたそうだ。 しかも「星巡りの歌」を歌ったらしい。 あかいめだまのさそり 大好きな歌だ。聞きたかった。 riverという名前も、菱川さんらしいというか。そんなによく知っている人ではなかったのだけど、 この展覧会自体が、菱川さんそのものだと思った。 とにかくテトラの住人たちはよくしゃべる。 自分がどんな風に絵を見るのかとか、実際にその場所へ行ってみたけど「ここを描こうと思う気がしれん!」とか、 いろんな意見や見方があっておもしろい。 みんなが喋っているのを聞きながら、自分はどの絵が一番気になるだろうかと、思ってみていたけど、やっぱり後ろのビルと高架が重なっている水色の絵が、気になるなあとその時に気づいた。なぜだろうか。と考えながらその日は帰った。 そもそもその絵は、テトラ近くの都市高と、その奥の、団地というか20階くらいありそうなバカでかい古い団地がぎゅっと場所を争うようにそそり立っているところがあって、そこの絵だとずっと思っていた。が、実際はどうやら違ったらしい。 原付で通るときも、車で通るときも、その風景は好きというにはあまりにも殺風景だけど、建物同士が近すぎて日はあたるのだろうかといつも不安になる。でもすごく気になる場所で、高架の壁でもっとぎゅっと身をよせなければならなくなった建物群が進むごとにずんずんと近寄ってくる感じが、 バスや電車にのっているときに前の大窓をみていると、枠はかわらないのに外の風景だけが紙芝居のようにかたまったままずれていくのを見ているときと同じような気分になる。 魔女の宅急便でキキが森であった人に会いにいくためにバスにのったときのバスが、これをすごくうまいこと描いていて、感動したものだった。あのへんなズレ方。 たぶん、その水色の絵は、描かれた高架とビルのズレ方と、ビルの現実感のなさが、自分が見ているその場所の感じと、似ているんだろうと思う。 と、なんだか人の話を聞きながらじゃあ自分はどうなんだろうと考えて思い出したり発見したりすることって多い。そこから自分が何にひかれているのか 気づいたりもする。 作品を見るっってそういうことなんだろうか。 あまりにも感想のみですが あるものを通して発見するそれは結局自分の中にあるものではある たぶん。 この展覧会には、部屋の奥にあるテキストがはってあった。 菱川さんがある画家について書いた文章。 決して読みやすい文章ではなかったし、自分も理解(書いてある、その、ものを、情景として理解)するのに 時間がかかって、はじめ何度も何度も読み返した。たぶん一番はじめに5回くらいは読み直した。その場にじっと立って。一度読んでも、字面はわかるけど頭の中に象として結べなかったからだ。文字を読んでるけど、読めてはない。でも、結べないうちにも、なんでか、よくわからないが涙が出てきた。 画家が画家について書いている それだけしかない。 それだけしかないって すごいことだ。 こんな文章ははじめて読んだ。 菱川辰也 絵画展 会期…2009年3月3日(火)〜22日(日)月曜休廊 時間…平日16:00-20:00 / 土日祝13:00-20:00 入場無料
by tetoyarama
| 2009-03-21 00:00
| tetra
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